Alpine.jsの$storeはいつ使うのか?

Alpine.jsでは x-data="{open: false}" というように x-data 属性を付与することで、その要素の内側で x-show="open" のように参照することができます。

<div x-data="{open: false}">
  <button @click="open = !open">開閉するよ</button>
  <div x-show="open">
    開いてるね
  </div>
</div>

とまあこれはAlpine.jsを知っている人なら全員知ってることなんですが、 x-data でなくても $store で同じようなことができます。

例えばこんな感じですね

<button x-data @click="$store.menu.open = !$store.menu.open">開閉するよ</button>

<div x-data x-show="$store.menu.open">
  開いてるね
</div>

<script>
  document.addEventListener('alpine:init', () => {
    Alpine.store('menu', {
      open: false,
    })
  })
</script>

コードでみると結構違いますが、やってることは一緒で、openという変数の定義場所が違うだけなんですよね。

$store はコンポーネントを跨いで参照することができます。便利。

ただし、v3から x-data入れ子になっていても変数名がカブらない限り祖先の変数も参照できるという仕様なので、

<body x-data="{open: false}">
  ...
  <button @click="open = !open">開閉するよ</button>
  ...
  <div x-show="open">
    開いてるね
  </div>
  ...
</body>

このように <body>x-data しちゃえばどこからでも参照できるグローバル変数を定義できちゃうんですよね。これでは$storeの立場がありません。

じゃあ $store っていつ使うの?って話なんですが、おそらく主に下記2点に注目すべきポイントがあります

外部のJSと連携したい!

UI系のライブラリを利用する場合など、Alpine.js外のJSとステートの共有をしたい場合は往々にしてあると思います。

そんな場合には x-dataAlpine.data で頑張るより素直にstoreを使ったほうが良いでしょう。

<script>
    Alpine.store('menu').open = true;
</script>

パフォーマンスへの影響

x-data を付与すると Alpine.start() を実行したときに、その要素以下がコンポーネントとして初期化されます。

もしその要素が巨大なツリーだった場合、初期化にかかるコストが大きいものになるため、できる限りコンポーネントは小さくするのがベター。

ちょっとした状態管理のためだけにbodyで x-data をしてしまうのはコストに見合わないので、$storeを使うのがよいでしょう。