スマートにiPhoneXの対応のためのpaddingを設定する

iPhoneXには、画面上部にセンサーや前面カメラが仕込まれているディスプレイの切り欠きがあります。

safariではviewportを下記のように指定することで、横持ちした際にこの切り欠きの周りまでレンダリング領域とすることができます。

<meta name="viewport" content="viewport-fit=cover">

この指定をすると、ディスプレイ全体に背景色等を引き伸ばせるため、より一体感のあるデザインにすることができるのですが、切り欠き部分がコンテンツと重なってしまうことが起こり得るため、CSS定数を使ってpadding等を余分に持たせてあげることで、これを回避してあげる必要があります。

設定できるCSS定数は以下の通り

constant(safe-area-inset-top)
constant(safe-area-inset-right)
constant(safe-area-inset-bottom)
constant(safe-area-inset-left)

しかし、このCSS定数で使われる constant 関数ですが、他のブラウザでは一切実装されていない機能になります。
そのため、既にpaddingが設定されている要素にcalc等を使って切り欠き分をプラスしてあげる方法だと、構文解釈ができずにpaddingが未設定とされてしまいます。
とはいえわざわざiPhoneXのために新しい要素で囲ってあげるのもバカらしい…。

そんなときは下記の様に同じセレクタ内でpaddingを複数記述するとスマートに解決することができます。

.container {
	padding: 10px 20px;
	padding-right: calc(20px + constant(safe-area-inset-right)); // for iPhone X
	padding-left: calc(20px + constant(safe-area-inset-left)); // for iPhone X
}

safariでは padding-rightpadding-left を上書きするように後述しているので、切り欠き分も余分に余白が適用されますが、それ以外のブラウザでは constant を使っている行は解釈されないので1行目のみ適用されます。

要は記述順が重要で、ベンダープレフィックスのような用法で使ってあげればよいのです。